博物館ランド

ミュージアムの面白かったところをレポートするブログです。

東京国立博物館「和物茶碗の世界」

はじまりの博物館

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東京国立博物館に行ってきました!

名称などの変遷はありますが、近代日本において最初に作られた本格的な博物館です。

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初代 町田久成館長(1838~1897)の像。

以前読んだ本によると、町田氏は和楽器が好きだったそうで、楽器の展示に合わせて舞楽の公演を開催したこともあるとか。現代のミュージアムイベントに通じますね。

そして、とーはくと言えば、キャラクターにもなっているこの埴輪(踊る人々)。

実物に会えました! とりあえず正面から。

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右から。

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左から。

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 良い表情!

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心に触れる お茶碗の魅力

ここからは特集展示の話題です。

お断りしておくと、私はお茶碗のことを(お茶碗に限らずですが)よく知りません。

何気なく見に来て、衝撃にも似た出会いがあったのが、こちらの特集展示「和物茶碗の世界―美濃、樂、京焼、唐津、高取」

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写真は、「黒樂茶碗 銘尼寺」(長次郎)。

今更ながら、見過ごしていた魅力にハッと気づかされたような、新鮮な感覚を覚えました。

物言わぬ黒いお茶碗ですが、手のひらにしっくりなじみそうな、一人分の心にそっと寄り添ってくれそうな、何とも言えず惹かれる雰囲気を感じます。

千利休が、自分の思想に基づく茶碗を長次郎に作らせたとのこと。展示を通して、その美意識の一端に触れられたような気がしました。

この特集展示では、樂家歴代の名工の作品のほか、志野、織部唐津、高取、京焼の名品が展示され、それぞれの特徴が紹介されています。

中国から輸入された唐物に対し、日本独自の美的センスが育んだ和物茶碗の世界。多彩かつ豪華なラインナップで、個性豊かなお茶碗との出会いが演出されています。

ところで。

樂焼と言えば、こちらも思い出します。滋賀県にある佐川美術館

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こちらに常設されている樂吉左衛門館は、十五代吉左衛門氏自らがプロデュースされた展示室。建築も照明もすべて含めて「作品」と呼びたくなるような、素晴らしい空間です。

作る人、見る人、手に取る人・・・様々な人の心に触れながら、400年以上受け継がれている芸術の系譜を思います。