博物館ランド

ミュージアムの面白かったところをレポートするブログです。

姫路科学館「科学実験の今むかし」

科学実験で感じる明治150年!?

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姫路科学館に行ってきました。

開館25周年記念特別展「科学実験の今むかし 旧制姫路高等学校物理実験機器コレクションから」

旧制姫路高等学校(1923~1949)で使われていた物理実験機器などが展示されています。展示室内は撮影OK!

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学校の門標。大理石でしょうか?

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これはヒルガ-社製写真分光器。水晶のプリズムがきれいです。

イギリス製で、大卒初任給が50~70円の時代に、1,274円で購入されたものだとか。

実験機器に添えられたキャプションには、すべて値段が書かれています。

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カルニュー社製の顕微鏡とレンズの断面。

外国っぽい社名ですが日本の会社。西洋の実験手法が日本に取り入れられ始めた頃は外国製の実験機器が購入されていましたが、旧制姫高の場合は学校の設立時期が比較的遅いため、国産の機器も増えてきたとか。

それにしても、顕微鏡がどんな仕組みになっているかなんて、あまり考えたことがありませんでした・・・すみません。

解説では、科学史や当時の日本の歴史的背景にも触れられているので、明治から現在へと続く時代の流れがなんとなく感じられます。

天文学者・宮本正太郎氏の風景

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天文学者・宮本正太郎氏(1912~1995)も旧制姫高の出身だそうです。貴重な学生時代のノートや、手書きの火星儀も。

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宮本正太郎氏による手書きの火星スケッチ。実物!

日付を見ると、本当にお正月も休まず観測されています。

以前読んだ宮本氏の著書「火星」には、火星の気象のことが書かれていました。

行ったこともない火星の気象が、どうして分かるんだろう?と思っていましたが、日々の観測の積み重ねが、それを可能にさせたのかー・・・すごい。

望遠鏡に映る像の向こうに、天文学者はどんな風景を思い描いていたのでしょうか。

旧制高等学校の思い出

旧制姫高は神戸大学に統合され、神戸大学姫路分校となりましたが、やがて廃止されたそうです。

伝統や気風が受け継がれることなく学校が廃止されてしまう・・・それを惜しむ教授の手記に、思い入れの深さが感じられました。

ところで。

旧制高校といえば、思い出すのがこちら。

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岡山駅前にある「六高マンの像」。つまり旧制第六高等学校の学生の姿を模した像。

姫路には、「六高マン」ならぬ「姫高マン」がいたということですな。